厚生労働省は11月12日、2021年第44週(11月1日~11月7日)のインフルエンザの発生状況を発表しました。
この1週間で報告された患者数は、神奈川県の5人、京都府と大阪府の4人など、全国で合計23人でした。昨年の同時期(32人)よりも少なく、現在のところ非常に低い水準ですが、今シーズンも昨シーズン同様、流行が起きないかどうかは不透明です。
インフルエンザの予防に最も効果的な方法は、ワクチンの接種です。ワクチンには、インフルエンザの発症や重症化を防ぐ効果が認められていて、もし感染してしまっても、多くの場合は症状が軽くてすみます。予防接種推進専門協議会(日本小児科学会や日本ワクチン学会、日本ウイルス学会、日本感染症学会などの関係団体で構成された、専門家の意見をワクチン政策に反映させるしくみ)は、今シーズンにおいても「インフルエンザワクチンの積極的な接種を強く推奨」しています。
一方、接種をためらう人も少なくありません。理由のひとつが副反応の心配です。比較的多くみられる副反応には、接種した箇所が赤くなる、はれる、痛むなどで、約10~20%に起こりますが、通常2~3日で消失します。発熱、頭痛、悪寒、だるさなど全身性の反応は約5~10%に起こり、こちらも通常2~3日でなくなります。
そのほか、ショック症状やアナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、呼吸困難など)がみられることがあります。これらは接種後すぐに起こることが多いので、接種後約30分間は接種した医療機関で安静にし、帰宅後に異常が認められた場合にはすみやかに医師に連絡することが大切です。
ごくまれにギラン・バレー症候群や急性脳症、けいれん、肝機能障害などの重篤な副反応の報告もありますが、副反応の原因がワクチン接種かどうかは、必ずしも明らかではありません。なお、季節性インフルエンザワクチン接種後の死亡例は2011年10月から2020年4月までの10シーズンで12例報告されていますが、死亡とワクチン接種の直接の明確な因果関係があるとされた症例は認められていません。また死亡例のほとんどが、基礎疾患等がある高齢者となっています。
このように、副反応には軽いものから重いものまでありますが、重篤な副反応が起こるケースはごくまれです。副反応を必要以上に心配して、予防接種を受けないのは望ましくありません。気になることがあれば医師に相談し、副反応について正しく理解したうえで、予防接種を受けましょう。
なお、ワクチンの供給不足により、現在は予約が取りづらい状況となっていますが、厚生労働省は、遅れはあるものの、例年と同じ程度供給されるとしています。