厚生労働省は2月17日、2023年第6週(2月6日~2月12日)のインフルエンザの発生状況を発表しました。
この1週間で報告された患者数は、大阪府で8,381人、福岡県で4,785人、東京都で4,008人、神奈川県で4,002人など、全国で合計63,786人でした。昨年の同時期(37人)と比べると患者数は1,724倍に増え、前の週からは1,203人増えています。
現在、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は若干減少傾向となっていますが、インフルエンザが猛威をふるっています。インフルエンザは、基本的には自宅療養で自然に治る感染症ですが、まれに命にかかわる合併症を引き起こす場合もあります。
インフルエンザの合併症には、肺炎、気管支炎、結膜炎、中耳炎など、さまざまなものがありますが、特に注意が必要なのは子どもの脳症と高齢者の肺炎です。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザに伴い意識障害やけいれんなどを起こす病気で、特に15歳未満の子どもにみられ、後遺症が残ったり、命を落とす危険性もあります。「言動がおかしい」「意識がもうろうとしている」といった症状がみられた場合には、インフルエンザ脳症の恐れもあるため救急車を呼ぶなどして、至急、医療機関に連れていきましょう。
高齢者や基礎疾患がある方の場合は、肺炎を併発することがあります。インフルエンザに感染すると、気道粘膜や全身の抵抗力が低下するため、肺炎球菌などの細菌が肺に侵入しやすくなります。高齢者は細菌性肺炎を起こしやすく、重症化してしまう傾向が高いので注意が必要です。