10月に入り、インフルエンザの流行が気になる季節となりました。
厚生労働省が9月26日に発表した「インフルエンザの発生状況について」(第38週:9月15日~21日)によると、全国の患者数は3,073人でした。定点当たりの報告数は、沖縄県7.04、鹿児島県3.07、福岡県1.61、熊本県1.49、三重県1.33、京都府1.23、千葉県1.15、兵庫県1.09、長崎県1.06、大阪府1.05、東京都1.00と、11の都府県で流行期入りの目安である1.0をすでに上回っています。インフルエンザは例年1~3月にピークを迎えるため、早めの備えが大切です。
インフルエンザの予防では、手洗いやマスク着用などの基本的な対策に加え、ワクチンの接種が有効です。
今シーズンから、インフルエンザワクチンが4価から3価に変更されました。従来の4価ワクチンは4種類のウイルス株に対応していましたが、山形系統のウイルスの報告例がほとんどなくなったことから、山形系統を除いた3価ワクチンとなりました。3価ワクチンでも変わらず予防効果が期待できるので、今年度も接種しましょう。
さらに、ワクチンの選択肢も増えています。昨シーズンから接種が始まった鼻スプレー型の「フルミスト」に加え、2024年12月には60歳以上を対象とした高用量ワクチン「エフルエルダ」が承認されました。筋肉内接種で従来の4倍量の抗原を含み、免疫機能が低下している高齢者の発症予防が期待できます。ただし、接種開始の時期が、当初予定されていた2025年秋ごろから延期になったため、今シーズンは接種できません。接種開始は、2026年秋ごろを予定しています(2025年10月現在)。
ワクチンを接種することで、インフルエンザに感染しにくくなるだけでなく、感染しても症状が軽くなったり、重症化を防いだりする効果が期待できます。特に重症化リスクの高い乳幼児や高齢者、妊婦、基礎疾患のある人は、忘れずに接種しましょう。