厚生労働省は2月25日、2022年第7週(2月14日~20日)のインフルエンザの発生状況を発表しました。
この1週間で報告された患者数は、埼玉県の4人、宮城県・広島県・福岡県の3人、岡山県・愛媛県の2人など、全国で合計26人でした。
通常、季節性インフルエンザ流行のピークは1月から2月ですが、両月とも非常に少ない患者数で推移しているため、今シーズンも昨シーズンに続き、流行せずに終わる可能性が高いと言えそうです。
インフルエンザの感染がほとんど見られない昨今、国内におけるインフルエンザ関連の報道は、ある県の養鶏所で鳥インフルエンザが発生した、渡り鳥の死骸からインフルエンザウイルスが検出されたなど、「鳥インフルエンザ」に関するものがほとんどです。
ところで、インフルエンザは人間や鳥以外の動物にも感染することをご存知ですか?
・「豚インフルエンザ」は豚の間では定期的に流行し、日本を含む世界中で発生していますが、症状は強くありません。なお、家畜伝染病予防法に基づいて殺処分される「豚熱(CSF)」は別の病気です。
・「馬インフルエンザ」は馬の間では感染力・症状ともに強く、日本では2007年に36年ぶりに流行し、競馬の開催が中止となる事態が発生しました。現在、JRA(日本中央競馬会)では、同会の施設に入厩するすべての馬に、ワクチンの接種を義務づけています。
・「犬インフルエンザ」は、2004年に米国で馬インフルエンザウイルスが変異し、競走犬に伝染したことが最初の発見です。その後、犬種を超えて米国全土に拡大したほか、鳥インフルエンザウイルスが愛玩用の犬に伝播した例が韓国、中国、タイ、米国で確認されています。日本での感染報告は現在のところありません。
・猫は、鳥インフルエンザウイルスが猫に感染した例が米国で報告されています。このほか、「猫ヘルペスウイルス」や「猫カリシウイルス」というウイルスによって猫が感染する病気の症状がインフルエンザに似ているため【猫インフルエンザ】と呼ばれることがあります。しかしこれはインフルエンザウイルスが病原体ではないので、ここでは除外します。
これらのウイルスが人間に「直接」感染することはありません。ウイルスと結合する細胞分子の受容体が、人間とこれらの動物では異なるからです。しかし、突然変異によって種を超えて感染を拡げてきたのがウイルスの歴史ですから、可能性はゼロとは言えないのです。
なお、鳥インフルエンザが人に感染した例のほとんどでは、 感染した家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚接触し、ウイルスに大量曝露しています。弱った鳥や死んだ鳥には不用意に触らないようにしましょう。また、外出先から帰ったらせっけんで手を洗うなど、日常的な感染症予防を心がけてください。